前回の記事では英語学習に対する様々な思い込みについて解説させていただきました。英語学習について、いわゆる“英語学習難民”たちが今までどれほどの間違った考え方をしてきたかがお分かりいただけたと思います。
さて今回は、前回の様々な誤解を解いた上で、これから一年間英語学習を始めるにあたって、はずしてはいけない学習の「戦略」について解説して参りたいと思います。
「戦略」とは「戦い」を「略す」と書きます。つまり、どこに注力し、どこで手を抜くかを見極め、最短最速でゴールへ到達するための方法を考えるのが戦略を立てると言うことです。
「1年で使える英語をマスターする」と言う目的を達成するためには、「何を勉強し、何を勉強しないか」を最初に見極めることが非常に重要なのです。コーチング英会話のトライズでも、目的や目標に合わせて逆算してやるべきことを決めています。
世の中には英語学習に関する情報がありふれていますし、教材も数限りなく存在します。
しかし、忙しく働きながら、1年で使える英語をマスターしたいなら、あれもこれもと手を出している余裕はありません。
では、やるべきこととやらなくていいことを、どう見極めれば良いのでしょうか。今回の記事では私、コーチング英会話トライズを始めるきっかけとなった三木雄信の体験をもとに、社会人が英語学習の戦略を立てる際の具体的なポイントについて解説していきたいと思います。それでは早速一緒に見ていきましょう。
目次
「自分に必要なのはどんな英語か」をまず明確にする
「何のために英語を勉強するのか」
前回の記事でもお伝えしましたが、このことを具体的かつ明確にしておくことが、1年間で英語をマスターするための必須条件です。
その目的が「英字新聞を完璧に把握するため」という人と「英語でビジネス交渉をするため」という人とでは、その勉強方法に大きく差が出てくるのは当然です。
また一方で、目的を明確にすることにより、「何はやらなくて良いのか」がはっきりと見えてきます。この「手抜きをしていいところ」がわかることが、短期間で英語をマスターする上で非常に重要なのです。
必要なのは「超目的志向」。
学習計画を立てると言うと、大抵の人は「何をやるか」ばかりを考えますが、実は「何をやらないか」を決めることの方が重要なのです。
だからこそ、学習を始める前に「自分に必要なのはどんな英語か」を明確にさせ、無駄の発生を回避させることがとても重要なのです。
トライズでも最初に明確な目標設定を行いますが、目標が明確になると教材や学習法も最適なものをカスタマイズすることが可能になります。
スピーキングとリスニングを集中的に鍛える
英語の基本的な四本柱は「読む」「書く」「聞く」「話す」です。この4つがバランス良く統合されて、英語をマスターしたと言える状態が作れるのです。
この中で日本人が得意とするのは「読む」「書く」で、苦手とするのは「聞く」「話す」です。皆さんの中でも「英語の単語は書けるし読めるけど、テレビで話すトランプ大統領の英単語が聞き取れない。」という方も少なくはないのではないでしょうか?
こうした観点から私、三木雄信は1年間で英語をマスターする際にはスピーキングとヒアリングを徹底的に鍛えました。
もちろんライティングが不必要だと言っているのではありません。しかしながら現在ではインターネット上に様々なツールが出回っており、ライティングは徹底的に「手抜き」することが可能です。
だからこそ、「手抜きをしたら絶対にマスターできないもの、他人の助けを借りることができないもの=スピーキングとヒアリング」に徹底的に集中することこそが社会人が英語を勉強する際の基本戦略となるのです。
トライズでも「話す」「聞く」に特化したスピーキング本科プログラムを提供しており、たくさんの仕事で英語が必要な忙しいビジネスマンの方々にご入会いただいております。
英単語は勉強しない。これ以上の単語力アップは不要
以前の記事でもお伝えした通り、孫正義社長の英語でのプレゼンテーションで用いられた単語の実に90%は「The Oxford 3000」にリストアップされているもので構成されていました。そして残りの10%は固有名詞であったり「ah~」と言ったような言い淀みですから、実質的にはほぼ全てが「The Oxford 3000」でカバーされていることになります。
3000語と言えば、一般的な高校生が知っている単語の数とほぼ同等の数です。つまり皆さんのうちの多くの方が大人になるまでに学んできた単語の数で十分ということです。
このため、私、三木雄信は3000語以上を覚えるのは時間と労力の無駄と考え、単語の勉強は捨て、むしろ知っている単語を端的につなぎ合わせ、アウトプットするスキルを高めるための勉強時間に費やしました。
同じ意味のイディオムを沢山覚えれば、テストでは良い点が取れるかもしれませんが、私の目的のように「英語でビジネスにおける交渉をする」というものである場合、さして大きな意味をなさないのです。
言いたいこと1つにつき、覚える言い回しは1つだけ
ですから、本にいくつも言い回しが載っていたら、自分が1番覚えやすいものを選び、完璧に覚え、とっさのシーンでも淀むことなく使いこなせるレベルまで磨きあげることが大切になってきます。そして、どれを覚えるか迷ったら、丁寧な言い回しを選ぶようにしましょう。下手にくだけた言い回しをして、相手の気分を害するよりもよっぽど良いのです。ちなみに私、三木雄信の場合、相手に何かをお願いする時は「Could you ~」、何かを求める時は「My suggestion is that〜」と決めており、他の言い回しは一切使いません。
こうして、無駄を省きつつ目的を遂げていく。これが正しい意味の「戦略」と言えます。
文法も勉強しない。不安なら中学英語の解説本に一回だけ目を通す。
私が「やらない」と決めたものはもう一つあります。それが「文法」です。なぜなら、文法は中学高校で嫌というほど学習しており、これ以上学習したところで大した効果は発揮できないからです。
だからと言って文法を完全に捨てるのが怖いという方は、社会人向けの文法おさらいテキストを1冊買って復習すると良いでしょう。できるだけ薄いテキストを選び、手短に済ませてください。
ただし、ネイティブ相手にやってはいけないことはいくつかあります。その一つの例としてカジュアルすぎる言い回しを使うこと。例えば「Yes」の略語である「Yep」は言われたネイティブにとっては不快に感じることが多いようです。カッコつけて砕けた言い方をしてビジネス交渉が不成立になるくらいなら、丁寧すぎる言い回し1つだけで、すべての場面を乗り切った方が効果的だし安全に目的を達成させることが可能になります。
トライズでは、ビジネス経験豊富なネイティブがフォーマルからカジュアルまで使い分けを指導しますので、状況に合わせて伝わる英語を知ることができます。
日常会話やスモールトークは後回し
前回の記事でもお伝えしましたが、実は日常会話の方がビジネス英語より難しいのです。これはビジネス英語ではあらかじめ、話題や使われる単語が予測できますが、日常会話では会話がどちらの方向に進んでいくのか、全く検討がつかないからです。これに対し、スモールトークを一夜漬けで乗り切る方法があるのですが、それは今後の記事で明らかにして参ります。
発音はあきらめる
以前の記事でも示した通り、英語を使う全人口のうち、約8割が非ネイティブのスピーカーです。このため発音の正確さや美しさを追求するのは時間の無駄であるとはっきり言い切れるのです。
発音を気にしていたら、いつまでたっても英語を話すことはできません。ただし発音を完全に無視したのでは相手に伝わらないため、発音ではなく、「発声」を意識することで乗り切ることが可能となります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
たった1年という限られた時間の中でいかに無駄を省き、目的に向けて徹底的にやるべきことを集中してやるための戦略について、お分かりいただけたと思います。
コーチング英会話トライズ(TORAIZ)では、これらの戦略に従い、1年間という短いスパンで英語を習得するためのメニューがプログラム化されています。忙しい中でも英語を最短最速で習得されたい方は、ぜひトライズ(TORAIZ)の無料カウンセリングにお越しください。
著書「海外経験ゼロでも 時間がなくても 英語は1年でマスターできる」では、他にも様々な勉強法をご紹介していますので、ぜひ併せて参考にしてみてください。