英語を学び直す社会人が共通して抱える悩みの1つが「英語学習の継続」です。
私、三木雄信はコーチング英会話トライズを経営し、英語を学ぶ多くのビジネスパーソンと関わりを持ってきました。
彼らの多くも冒頭の悩みを持っており、コーチング英会話トライズでは具体的な学習法や、学習時間の確保の仕方まで指導することにより、その問題を解決してきました。
そこにはビジネスでよく使われるPDCAサイクルの考え方を適用しています。この方法をまとめたものが、著書「超高速PDCA英語術」です。
本記事では、その中から「Do」に焦点を当てて、英語学習の実行・継続のコツをステップバイステップでご紹介します。
中学レベルの文法の復習
実用的な英語学習の中心には「シャドーイング」と「超高速英作文」を据えるべきであることは以前お話ししました。
しかし、その前提には、ある程度の文法力・単語力が期待されています。
単語は知らないものが出てきたら、都度意味を調べて覚えれば良いのですが、文法は先にルールを知っておくことで学習効率が上がります。
あくまで基礎の基礎を固めるだけなので、時間をかけてじっくり行う必要はありません。そもそも中学レベルの文法はそれほど複雑ではないので、ざっとやり直せばすぐに頭に入ります。
現在は中学英語のやり直しを目的とした社会人向けのテキストもたくさん販売されています。それらを使って、実用的な学習の前の下準備を行いましょう。
発音の代わりに音節を意識する
日本人の生徒の多くは真面目なので、「発音が完璧でないと伝わらない」と思い込んでいます。
しかし、実態はそうではありません。
「ハーバード・ビジネス・レビュー」2012年10月号の記事によると、世界人口の約70億人のうち、英語を話すのは約17.5億人。その中で、英語を第一言語として使用しているのはわずか3.9億人なのです。
つまり、78%の英語話者は、私たちと同じように第二言語として英語を学んだのです。
そのため、多くの場合、ネイティブはノンネイティブに完璧な英語は求めていません。それぞれの国のなまりがあったり、つたない話し方であっても、意思の疎通さえできればOKというのが一般的な考え方なのです。
その一方で、音節をマスターすることは非常に重要です。音節とは、わかりやすく言えば「音の拍数」です。
例えば、「McDonald’s」を発音してみてください。
日本人はこれを「マクドナルド」と6拍で発声します。しかし、ネイティブは「Mc-Do-nald’s」と3拍で発声するので、全く違ったリズムになります。
日本語の音節は全て母音を含む形で成り立ち、一拍ずつ平坦な音で話すことが、英語と大きく異なる点です。このような言語の特性を理解して、音節を正しく捉えることが、伝わる英語を話すために非常に重要なポイントです。
覚えるべきは「丁寧な表現」
超高速英作文をする際、テキストによっては同じ意味合いの言い回しが複数紹介されているものがあります。
しかし、私はまず1つの表現を覚えることをオススメしています。その理由は、実際に使いながら覚えるためです。最初に複数の表現を覚えても、会話の場面で全てを瞬時に比較することは難しいでしょう。
したがって、まずは最もスタンダードなものから覚え、完璧に染み付いたら表現の幅を増やしていきましょう。
さらに、最初に選ぶべき表現は「丁寧な表現」が良いでしょう。
要望を伝える場面なら「I want to」より「I would like to」、お願い事であれば「Can you?」より「Could you ?」を選びます。
そうすれば仕事の場面でも不適切な表現になることは少なく、きちんとした人という印象を持ってもらうことができます。
アウトプットはシンプルな文を活用
実際に英語で話す際には、複雑な文章を話そうとする必要はありません。
ネイティブの会話を観察していても、ほとんどの文章はシンプルです。
日本人の英語学習者の場合、むしろ長い文章を作ろうとするあまり、頭の中での負荷が大きくなって、言葉が出なくなってしまうことも見られます。
伝わりにくい文章の例として特に多いのが、関係代名詞を使った文章です。
仕事の相手に「昨日役に立つウェブサイトを送ったんだけど、見てくれた?」と聞くとします。
日本人学習者が作る文章は次のようなものです。
- Have you checked the very handy website that I sent you yesterday?
これは文法的には正しく、筆記の英作文であれば完璧でしょう。しかし、口語で使うには固く、複雑な構造をしています。
もっと簡単に次のように伝えるだけでも十分に伝わります。
- Have you checked the website? I sent it yesterday. It is very handy.
孫社長の英語も実はとてもシンプルです。全く淀みなく話していながらも、使っている文構造は中学レベルのものばかり。
だからこそ、意味が明確に伝わり、交渉やプレゼンの場で力を発揮できているのだと思います。
初学者ほど文構造で工夫をこらそうとしがちですが、シンプルな文章で、円滑なコミュニケーションを取ることを意識しましょう。
1年で1000時間を生み出すタイムマネジメント
十分な学習時間を確保することは、意志の力だけでは難しいでしょう。
そこには仕組み化が必要です。
コーチング英会話トライズでは3つの時間を英語学習に使うことを提案しています。
早朝
早朝は予定が入りにくく、集中して学習に臨むことができます。また、1日の始まりで頭もフレッシュな状態なので、学習効率も良いでしょう。
朝型の人は2時間程度確保できると、1日3時間・1年間で1000時間という目標にかなり近づきます。
通勤中
通勤中にネットニュースやYouTubeの娯楽動画を観てしまっていませんか?
その時間を英語学習に変えると、もっと有益です。今ならスマホにシャドーイングの音源を入れておくこともできるので、昔に比べてずっと学習しやすい環境になりました。
通勤時間が短い人は、駅やバス停を目的地の1つ手前で降りて、歩く時間を増やしてみましょう。歩きながらのシャドーイングや復習なら、声を出しても周りに迷惑がかかることも少ないので、堂々と通勤時間を学習時間に変えることができます。
スキマ時間
職場に早くついて仕事を始めるまでの時間、仕事のお昼休み、帰宅後の余暇時間、なども英語学習タイムに変えることができます。スキマ時間だからこそ集中してやれることもたくさんあるからです。
例えば、「前日のノートを見返す」や、「新しい表現を5分で3つ覚える」などを時間的な制約をつけて行えば、ダラダラ行うよりもよっぽど効率的です。
そのために、必要なものはできる限り持ち歩きましょう。「せっかく時間ができたのに、手元に必要なものがないから学習できない」という状況を発生させないことが、スキマ時間を活用するための鉄則です。
まとめ
英語学習を継続させる上で意識すべきポイントを改めてまとめます。
- 中学レベルの英文法が理解できているかを確認し、抜け漏れがあるようであればざっと復習をする
- 完璧な発音を目指すのではなく、完璧な音節を目指す
- シャドーイングや英作文で習得すべき表現は、「丁寧なもの」を「最初は1つ」
- 口語の英作文はシンプルイズベスト
- 英語学習を習慣化するには「早朝」「通勤時間」「スキマ時間」の見直しがカギ
今回紹介した英語学習方法は私、三木雄信が創業したコーチング英会話トライズでフル活用しております。独学ではつい甘えが出てしまい、毎日3時間英語学習をすることができないこともありますが、トライズでは専属のコンサルタントがしっかりとサポートするので、毎日英語学習を継続することが出来ます。
また、それぞれの受講生様に合った学習方法や英語教材を選定し学習していただくので、無理なく学習することが出来ます。中学レベルの英語から心配という方には、その方にあった教材からスタートするので挫折することはありません。
英語学習をやり直してみようかなと思われた方はぜひ、トライズの公式サイトより無料のカウンセリングをお申し込みください。自分の今の英語レベルにはどの英語教材があっているか、何から英語をやり直したほうがいいのかなどお気軽にご相談ください。
本記事で紹介した内容は著書「 超高速PDCA英語術 」でより詳しく紹介しているので、よろしければお手にとっていただけると幸いです。