【鬼速英会話学習法】リスニングのコツは「音」と「スペル」の関連づけを理解せよ

ビジネス術

「リスニングの練習を繰り返していても一向に上達が見えない」

もしそう感じるのであれば、トレーニングの意識が間違っている可能性があります。

私、三木雄信もかつては英語が全く聞き取れませんでしたが、その理由を自分なりに分析することで、聞き取れるようになるためには何が必要かを見いだすことができました。

その後、1年間の英語学習を経て、海外のクライアントとも交渉ができるだけの英語力を身に付けました。今ではコーチング英会話トライズを経営し、ビジネスパーソンの英語学習を支援しています。

私が試行錯誤して身に付けた英語学習法を著書人生最後の英語鬼速やり直し」として公開しています。

この記事では、その中からリスニング学習の正しい進め方をご紹介します。

英会話は「聞き取る力」が9割

以前の記事でもお話ししたように、私はYahoo!とのビジネスミーティングで大恥をかいてしまいました。その理由を改めて分析していくうちに、はたと気づきました。

一番の問題は、スピーキング力ではなく、リスニング力の欠如にあったのです。

相手が話している言葉が全く聞き取れなかったのですから、会話が成立しないのも当然です。

要するに、最も力を入れて学ぶべきは、「英語を聞き取るスキル」だと気付いたのです。

例えば、あなたが親しい友人から次のように質問されたとしましょう。

「ねえ、一緒にランチに行こう。何か食べたいものはある?」

あなたはトンカツを食べたい気分だったので、次のように答えます。

「トンカツ」

「わかった。じゃあ、トンカツ屋さんに行こう」

そうです。質問の内容さえ理解していれば、トンカツという1ワードを口にするだけで会話は成立します。これは英語でも同様です。このように、相手が口にする言葉の意味を理解できるかが、会話の成立に決定的に影響するのです。

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2020年5月19日

「聞き流す」だけではリスニング力が上がらない理由

リスニングの勉強を始める前に知っておいていただきたいことがあります。それは、「英語を聞き流しているだけではリスニングの力は向上しない」ということです。

「え⁉︎その手の教材がたくさんあるから、聞き流すだけでいいと安心していたのに!」

そう思われる方も多いかもしれないですね。聞き流すだけの教材が全く無駄とは言いません。聞かないより聞いた方が良いのかもしれません。

けれども、「聞き流しているうちに、ある日突然、英語が理解できるようになる」という状況はほとんど期待できないと言ってよいでしょう。

その一番の理由は、発音とスペルが結びついていないことにあります。

例えば「local」という単語を日本人が発音すると「ローカル」という音になります。けれども、ネイティブが発音すると「ロコ」という風に聞こえます。

耳から入ってきた「ロコ」という言葉と、元々知っている「local」というスペルが結びつかないので、何を言われたのかが分からなくなるわけです。

日本語と英語のリズムの違い

さらに日本語と英語ではリズムが違います

例えば、「McDonald’s」という言葉。日本語では「マクドナルド」と6音節で発音しますが、英語では「Mc-Do-nald’s」と3拍になります。リズムが全く違うだけでなく、アクセントやイントネーションも違うわけですから、日本語で「マクドナルド」と発音してもネイティブにはまるで通じません。

これらを踏まえると、「耳で聞き取った音」と「自分が知っているスペル」を結びつけるトレーニングこそが、リスニング力の向上に不可欠であるとわかります。

具体的には、音声を聞いたら、正確に聞き取れたかどうかをテキストで確認し、再び音声を聞きます。

まさしく聞き取ることができるようになるまで、同じ音声を何度も何度も繰り返し聞き続ける。これを粘り強く行うのが、実は最も近道と言えるリスニング勉強法なのです。

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2020年4月15日

聞き取りの4ステップ

音とスペルを結びつけるために、最初はスクリプト(字幕やテキスト集)を見ながらシャドーイングを行うことをオススメします。

具体的には次の4つの過程を繰り返します。

  • 題材とする映画や音声を決め、一通り視聴する
  • 音声を流しながら、スクリプトを目で追う
  • 音声に合わせて実際に読み上げる
  • スクリプトを閉じて、音声だけを聞いて後追いで声に出す

聞きながら意味がわかる場合はそのまま進めて問題ありません。もし意味がよく分からない箇所があれば、日本語字幕を確認したり、その表現の意味を調べることで、自信を持って発声できるようになります。

シャドーイングで重要なのは、とにかく音のマネをすることです。そうすればリスニング力と同時にスピーキング力も鍛えることができ、カタカナ英語を脱却することにつながります。

また、範囲を細かく区切って、短い範囲で完璧に仕上げていくことも大切です。

ワンフレーズごとにシャドーイングをして、聞き取れなかったところをテキストで確認し、再びシャドーイングをする。これをひたすら繰り返してください。

私の場合、聞き取れなかった箇所はペンでラインをひき、トレーニングの過程で聞き取れるようになった箇所はラインを消していました。

シャドーイングがうまくいかない時の対処法

シャドーイングはリスニング力を鍛える最も効果的な方法なのですが、中には思ったようにできないという人もいます。

これは口の周りの筋肉の発達と関係しています。英語を話すときに必要な筋肉と、日本語を話すときに必要な筋肉は異なるため、学習者全体の約5%の割合で英語を発声しにくい人が存在するとされています。

その場合に代替できるトレーニングをご紹介します。

音読

発声を鍛える方法として、まずは音読から始めるのも良いでしょう。シャドーイングのように時間的な制約がないので、ゆっくりと読むところからスタートできます。

音声を聞いてできる限り忠実に再現するというのを繰り返し、徐々にシャドーイングに移行していきましょう。

ディクテーション

正しい文章として聞き取れているかのチェックにはディクテーションが使えます。

ディクテーションとは、聞いた文章を書き出すトレーニングです。

実際に書き出してみると、冠詞の聞落としや単語の聞き間違いなどにも気づくことができ、なんとなく聞けている状態から完璧に聞き取れる状態までの距離感が理解できると思います。

正確なリスニング力を身に付けたい方はぜひ取り組んでみてください。

ラジオニュースやアプリ

「まずは英語に慣れたい」という方には、アプリを使ったニュース視聴などもオススメです。

例えばTEDなどのプレゼン動画や、NHK WORLD RADIO JAPANなどが入門には適しています。後者は日本の新聞やテレビで触れる内容を英語で放送しているので、聞いたときに意味がわかりやすいというメリットがあります。トライズの受講生にも活用している人が何人もいます。

また、「Terra Talk(テラトーク)」というアプリもオススメです。これは一言で言えば「AIと場面別の日常会話をして英語力を鍛える手法」です。学習者は様々な役になりきり、AIの問いかけに対して答えていきます。

ユーザー自身の英語力に合わせて会話速度を自由に変更することができ、アメリカ英語に加え、イギリス英語、オーストラリア英語の三種類のアクセントから選択ができます。コンテンツはネイティブが監修しているので、リスニングの練習はもとより、スピーキングの練習にもなるでしょう。

10分以下の隙間時間はテラトーク、それ以上の時間があるときはシャドーイングといった使い分けも試してみる価値があります。

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まとめ

リスニングは聞き流しているだけでは上達が見込めません。大切なのは「音」と「スペル」を結びつけるトレーニングです。そのための具体的な手法として、私はシャドーイングをオススメしています。

シャドーイングをすることで、英語の自然はリズムが身につき、意味を理解する上でも、伝える上でも役に立ちます。

シャドーイングと合わせて、音読・ディクテーション・アプリを使った英語学習なども織り交ぜることで、自身のレベルにあった学習ができることでしょう。

コーチング英会話トライズでは、これらの方法を組み合わせて多くの受講生様の英語力を向上させてきました。英語が苦手な方がいきなりシャドーイングを始めるとうまくいかずに挫折してしまうことがありますが、トライズでは受講生様の英語のレベルを専属のコンサルタントが把握し、それぞれの方に合ったレベルからスタートすることができるので、挫折することなく英語学習を続けられます。気になった方はぜひ、トライズの無料カウンセリングにお越しください。

より詳細な学習法については、著書「人生最後の英語鬼速やり直し」に記載していますので、そちらも参考にしてみてください。