【孫正義奇跡のプレゼン】プレゼンテーションで世界を変えられる

孫正義奇跡のプレゼン ビジネス術

はじめに

「プレゼンテーションで世界を変える!」 

私、三木雄信がソフトバンク時代に一緒に仕事をさせていただいていた孫社長は、まさにプレゼンテーションの達人でした。創業から30年余りで売上高3兆円となったソフトバンクの快進撃は、彼のプレゼンテーションの力によるものと言っても過言ではありません。

ではなぜ孫社長はプレゼンテーションを、経営の中心的役割として位置付けていたのでしょう?

それは、孫社長が会社の成長を継続させるためには常に新しいことへのチャレンジ精神を失わないことが必要であると考えていたことが根底にあります。

新しいことにチャレンジし事業領域を広げるためには、社外からヒト・モノ・カネ・情報を引っ張ってくる必要があります。その時に、孫社長にとって大きな武器となったのが、今回ご紹介させていただく「奇跡のプレゼン」だったのです。

決して難しい内容ではなく誰もがすぐに実行できるものも多く含まれているので簡単にご紹介させていただきます。

孫正義のプレゼンテーションの本質

孫社長のプレゼンテーションは、常に全体としてメッセージがシンプルで骨太であることが主たる特徴として挙げられます。 ではなぜ彼のプレゼンテーションは常にシンプルで骨太なのでしょうか?

それは、彼が見通す「戦略」的なメッセージが背後に存在しているからです。彼はソフトバンクアカデミアで「戦略」について、「戦略とは情報を徹底的に集め、枝葉を除去し一番太い幹になるものだけに絞り込み、これをやらなければならないという急所を見つけること。つまり戦略の本質は『略』すること」と説明しています。

一般的なプレゼンテーションでは、「漏れが無いように」「上司から指摘されないように」とあれもこれも盛り込んだ挙句、結局聴衆に何も伝わらないという光景が多く見られます。これは、聴衆にとって無駄な情報が多く、どこがポイントなのかが分かりにくいことに起因しています。

1スライド・1メッセージ

シンプルに、コンパクトに、数字を盛り込みつつ分かりやすく。スライドは「1スライド・1メッセージ」を合言葉にし、余計な情報を盛り込まない。むしろ少ないメッセージに多くの情報を集約させる。それでいて、歴史や時代の流れの延長線上にソフトバンクが描こうとしているビジョンが重なっているという歴史的必然性を聴衆と共有し、共感を得る。これが孫社長の奇跡のプレゼンの本質と言えます。

孫正義流プレゼンテーションの作り方

孫正義奇跡のプレゼン

上記のことを基盤として、孫社長は以下のポイントを手順を外すことなく数々のプレゼンテーションを手がけてきました。

ホワイトボードが「奇跡」を呼ぶ!

孫社長は当然、パソコンの使いこなしなどお手のものですが、プレゼンテーションの案を作り上げる際、彼はいきなりパソコンに向かって作るということは決してしませんでした。

彼がまずやることは聴衆役・専門家・反対側の意見を持っている人集めて議論し、ホワイトボードを使ってプレゼンテーションの案を練る。意外にも思いますが、ここを最も重要視していたのです。

そしてその中に、きちんと

  • 「誰もがわかるプレゼンテーションの内容になっているか」
  • 「聴衆や提案を受けた側にとってメリットのある内容になっているか」
  • 「リスクに対しても、積極的なイメージが描ける内容になっているか」

などのポイントが盛り込まれているかどうかもチェックしてきました。

特に孫社長が大切にしていたのは、「相手側にメリットがある内容になっているか」という点です。この点において孫社長はよく例え話として、彼の出身地である九州で伝説となった鯉とり名人「鯉とりまぁしゃん」の考え方を社員にも徹底させました。

「まぁしゃん」は漁の時、鯉が寄ってくるように湯気が出るほど体を温めて川に入ります。暖かさを求めて寄ってきた鯉を「まぁしゃん」は優しく抱き抱え人々が驚くほどの沢山の鯉を捕獲してきました。

交渉の時も、プレゼンの時も、彼はいつもこの考え方を大切にしています。こうしたプロセスを経て、今度はそれらの効果を劇的に高める方法に移っていきます。

プレゼンテーションの効果を劇的に高める方法言語外のメッセージ

ファッション、アイコンタクト、ジェスチャー、口調・・・。多くのプレゼンテーターは、こうした言語外のメッセージを意識することを忘れ、原稿やスライドばかりに気をとられがちです。しかし、聴衆がプレゼンテーターから受ける印象は、こうした言語外のメッセージの方が大きいものです。

共演者、反対者、質問者、・・・。 全てを囲い込み最高のプレゼンテーションを作る!

孫正義奇跡のプレゼン

プレゼンテーションは決して一人で行うものではありません。同じ意見の共演者は自分が送ろうとするメッセージが社会的に構成であることを証明し、反対意見を持つ共演者は自分が送ろうとするメッセージの背後にある論点を明らかにしてくれます。

質疑応答のやりとりも聴衆の理解度を高めるため、極めて重要であると言えます。

世の中の不満や疑問を解決することを宣言する!

プレゼンテーションの中で、自社のビジネスあるいは製品やサービスが、世の中の不満や疑問を解決していくことを宣言します。

そしてその解決こそが自分達の「志」の一部であることを説明します。聴衆はそうした「志」に共鳴し、購入や提携という形で参加します。

プレゼンはみんなの共有物

孫社長は  Twitter のフォロワーから、あるいは社内からたくさんの意見を集約し、それらを取り込んだ上でプレゼンを構成していきます。

つまり、彼のプレゼンテーションは多くの人の共有物であると言っても過言ではありません。独りよがりになるのではなく、たくさんの意見を取り込むことでプレゼンテーションの説得力がより強化されます。

これらの具体的な方法についても、今後の記事で明らかにして参りますので、楽しみにして下さいね!

プレゼンテーションの成功を左右する4つの準備

孫正義奇跡のプレゼン

スライド1枚あたりの平均時間を計測する

プレゼンにおいて時間配分は極めて重要です。このため、自分のプレゼンのスライド1枚あたりの平均時間をあらかじめ計測しておき、与えられた持ち時間から逆算し、何枚で伝えるかを考えると良いでしょう。

環境に注意を払う

せっかく準備してきたスライドが環境の不具合で全て無駄になったということが無いように、事前に会場のパソコン環境を確認しておきましょう。私、三木雄信はソフトバンク時代、万が一パソコンがフリーズした時のために、必ず2台のパソコンを用意し、現場に臨みました

小道具を用いて、聴衆の心を掴む

プレゼンテーションのポイントとなる場面で小道具を使う準備をしておきましょう。素手とジェスチャーで行うよりも、聴衆の関心が一点に集中するため、より効果的と言えます。ちなみに孫社長は自然エネルギー財団設立を表明する際、放射線量を測定するガイガーカウンターを使っていました。

動画をいたるところに活用する

プレゼンテーションの冒頭に動画を流すことは、聴衆の期待を一気に高め、集中力を高めます。また、人間は静止しているものより動いているものに意識が向くようにできています。この特性を活用し、プレゼンテーションの中に動画を組み込んでおくことは有効と言えます。

また一人でも多くの人にプレゼンテーションを見て欲しい場合はインターネットで動画配信することも検討しましょう。

まとめ

ビジネスを大きく成長させるために、プレゼンテーションの力は不可欠です。今回はその全体像を大まかに解説させていただきました。

次回からは各項目についてより具体的に解説していきますが、もっと詳しい内容については孫正義奇跡のプレゼン〜人を動かす23の法則〜に記載していますので、ご参照下さい。

私は、これらのプレゼンテーションノウハウを活用しコーチング英会話トライズを立ち上げ、受講生4,000人以上という規模まで成長させることに成功しました。皆さんも是非、プレゼンテーションの力を身につけ、ご自分のビジネスを飛躍させてください。

皆さんの成功を期待します。