以前の記事(【PDCA英語術】思い込みは捨てろ!トライズ式英会話勉強術を使っ…)では、英語学習を進めていく上で大切にしていただきたいことをお伝えさせていただきました。今回の記事では、それらを踏まえ、「Check」と「Action」、つまり学習の中で重要な何が良かったのかまたは悪かったのかを検証し、悪かった部分をどう改善するかについて書いて参りたいと思います。
目次
英会話学習における「Check(検証)」と「Action(改善)」の重要性
みなさん、これまで勉強してきた中で、振り返りをしてみたことはありますか? そして、勉強法を改善させたことはありますか?
トライズでは、この振り返り、つまり「Check(検証)」と勉強法の改善「Action(改善)」を“おまけ”ではなく、1年間の学習を乗り切るための核となる重要なプロセスだと捉えています。
「C」と「A」はただの予習復習とは異なります。ただの予習復習は同じことを繰り返すことであり、検証し改善する行為ではないのです。勉強法に改善が見られないということは、停滞期においても同じ勉強法を繰り返していることになり、突破口が見つかりにくくなります。これでは、スランプが長期化し、そのうちモチベーションも折れてしまいます。

ですから、停滞期を抜け出すためには適切な改善が必要となりますが、適切な改善を行うためには適切な検証が必要となります。
このためトライズでは定期的に自分の上達度を客観的にチェックできるシステムを導入しています。そこで自分の弱点や伸び悩んでいる原因を分析し、次からの勉強法の改善に役立てています。定期的なチェックはモチベーションの維持にもつながります。
たとえ上達が伸び悩んでも「次のチェックまでに弱点を克服しよう!」という短期的な目標が待っているので気持ちを立て直すきっかけにもなります。
「通用する英会話」が完成するまでの4つの段階と、壁を乗り越える改善方法
「Check(検証)」と「Action(改善)」が必要な理由をさらに詳しく説明させていただきます。普通の人が英会話を習得するプロセスでは、必ず停滞期がやってきます。トライズの受講生の方々も1年間の間で、例外なく停滞期を味わっています。
大切なのは「もう頑張ってもこれ以上伸びないから、やっても無駄だわ」と言って投げ出さないこと。改善の余地があるにも関わらず、チャンスを投げ出すことは非常に勿体無いことです。
停滞期が来たら「そうか、自分にも来たな。」くらいの気持ちで冷静に対応して下さい。実際に停滞期は誰にでも存在するものであり、そういう仕組みになっています。特に気をつけたいのが4ヶ月目と9ヶ月目です。トライズではこれを「死(4)の谷」、「苦(9)の谷」と呼んでいます。
なぜ「4の谷」と「9の谷」が誰にでもやってくるのか。
それは英会話習得までのプロセスにおいては次の順をたどることと関係しています。
- 音声知覚期(1 ― 3ヶ月)
- 意味理解期(4 ― 6ヶ月)
- 自動化準備期(7 ― 9ヶ月)
- 完成期(10 ― 12ヶ月)
一つ一つ具体的に見ていきましょう。
音声知覚期(1 ― 3ヶ月)
耳から入ってくる英語の音声が知覚できるようになる期間です。 特にこれまでのようにほとんど触れてこなかった人は英語の音に耳が慣れて音は聞き取れるという感覚を体感できるようになります。ただし意味の理解はまだできていない段階です。
この時期は、とにかくシャドーイングの音だけに集中してください。トライズの受講生たちも最初の1ヶ月から2ヶ月は、シャドーイングについていけず苦しみます。
ですからこの時期はシャドーイングがうまくできなくても、「できない」と思うのではなく「できるようになるための筋トレをしているのだ」と考えましょう。

どうしても上達しない場合は、その人にとって教材が難しすぎる可能性があります。この場合は、一旦教材を簡単なものに切り替えてみるとよいでしょう。
また、超高速英作文はフレーズの暗記を徹底しましょう。 シャドーイングにしろ、超高速英作文にしろ、この時期はゴールに向けてようやく第一歩を思い出したばかりです。
焦りは禁物。やるべき学習を粛々と積み重ねていくことが、上達への1番の近道となります。
意味理解期(4 ― 6ヶ月)
英語の意味が理解できるようになる時期です。シャドーイングをしていても、耳から聞こえる音とスクリプトの内容が結びつくようになり、今聞こえているのは、こういう意味なのだと理解できます。
ですから例えば映画やドラマを字幕なしで見ても、何を言っているのかわかるといったうれしい体験も増えていきます。ただし脳に意味理解の回路ができ始めますが、自動化されていないのでVERSANTのスコアが伸び悩むことがよくあります。しかしすぐに結果が出なくても、学習を続ければ英語を話すための基礎体力がしっかり身につくので、しかるべき時期が来たらゴールに向かって大きく伸びていきます。
この時期になったら、文章の意味を理解しながら口に出す「コンテンツ・シャドーイング」を行いましょう。耳から入ってくる音を追いかけつつ、その意味に意識を向け、イメージを頭に思い浮かべながらシャドーイングします。何より大事なのは、毎日の習慣としてシャドーイングを継続することです。
それから英語のアウトプットを減らさないことも重要と言えます。モチベーションを維持するためには「アウトプットが成功した」と言う小さな成功体験を積み重ねることが大切です。今持っている「英語でも、相手に通じる!」と自信をつけることが学習の継続には欠かせません。
この「4(死)の谷」を越えれば、相手の言っている意味がわかるという「希望の丘」が待っています。
自動化準備期(7 ― 9ヶ月)
自分の言いたいことが自動的に口から出てくるようになるための準備期間です。 自動化のための回路ができ始めますが、まだ完成していないためVERSANTの得点が伸び悩むことがよく見られます。
そのため、このままでいいのかと、モヤモヤする時期でもありますが、ここさえ超えれば次のステップに大きな進化がやってきます。
この時期でもっとも大切な事は、アウトプットの量をさらに増やすことです。この段階になったら「話す」以外のアウトプットもできるだけ英語にすることをお勧めします。
「英語でブログを書く」などもオススメですが、トライズの受講者の中には、日本人コンサルトに出すメールを英語で書いている人もいますが、これも英語を運用する機会を増やすためです。
ここでどれだけ頑張れるかで、最後の完成期の伸びが大きく変わってきます。「この谷さえ越えれば、一気にゴールに近づく」という明るいイメージを持って、この時期を過ごしてください。
完成期(10 ― 12ヶ月)
スピーキング、リスニング共に自動化が完成する時期です。本人は自覚していないケースが多いようですが、VERSANTのスコアは確実に伸びていきます。
トライズの受講生の中でも「海外との電話会議がスムーズに行えた。」、「海外出張先のパーティーで外国人との会話を心から楽しめるようになった。」と言った驚くような成功体験を数多く聞けるようになります。
以上の4つのプロセスの中で、「4(死)の谷」と「9(苦)の谷」を乗り越えながら、英語を完成させていきます。いずれも脳の中に新しい回路を作る段階が踏ん張り時のようですね。

具体的なCheckの方法
具体的なチェック法として適切なのは、やはり「VERSANT」、それから「動画・録音」、「学習記録」などが効果的です。
VERSANTの受験には月に1回を勧めていますが、1回の受験に5,000円の費用がかかることや、受験の度の点数の変化が見られないとモチベーションの低下に繋がってしまいますので、一般の方なら3ヶ月に1回くらいがちょうど良いかもしれません。
また、定量面(テストのスコア)で成長が見られない場合でも、自分が英語を話す様を動画に撮っておいて、一定期間学習した後に再確認するという手法をとれば定性面での成長も見られるため、オススメのチェック方法と言えます。
学習記録も然りです。 勉強を始めて数ヶ月が経ったのちに、学習記録を眺めたとき、「よく頑張って来たなぁ。」と自分を褒めてあげたくなるものです。その気持ちが次への第一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。
いずれにせよ、この「Check」は極めて重要ですので覚えておいて下さい。
仲間の存在が新たなモチベーションを作り出す
壁にぶちあたったとき、同じ目標に向かう仲間がいるのといないのとでは大きな差があります。
精神力が強い人であれば、孤独な学習にも耐えられるかもしれませんが、普通の人は、勉強を進める上でスランプに陥った時などは、気持ちが落ち込むことも多いので、同じ悩みや苦しみを話し合い、共感しあい、励まし合える仲間がいるということは大きなアドバンテージとなります。
トライズではグループレッスンの受講生同士が大変良い仲間となっています。マンツーマンレッスンだけでなく、グループレッスンを取り入れているのはそのためです。

またそのほかにも「ゴール共有の会」など、多くのイベントを準備し、受講生同士が関係性を深めあえる場を多く提供しています。
一人でも多くの方々が、英語を駆使し、自分の可能性を最大限に広げ、目標を達成していただくことを、私、三木雄信は心から願っています。
最後に
今回はPDCA英語術の内の「Check」と「Action」の部分についてお話させていただきました。 英会話習得までのプロセスを知ることで、今の自分はどの段階にいるのか把握できると思いますので、ぜひご活用ください。
今回でPDCA英語術については最後となります。今までの記事を見返していただければあなたの英会話学習の助けになることがあると思います。
- 【PDCA英語術】トライズ創業者三木雄信が考える、英会話習得には明確なゴールを設定すべき理由と、最適な教材・勉強法を選択すべき重要性
- 【PDCA英語術】思い込みは捨てろ!トライズ式英会話勉強術を使って全速力で1年1,000時間をフル活用する方法
- 海外経験ゼロでも仕事が忙しくても「英語は1年」でマスターできる(本記事の内容が書かれている私の著書)
トライズでは、一人ひとりに専属のコンサルタントが付き、PDCAのサイクルで英語学習を進めていきます。
P) コンサルタントがあなたに合った学習計画を提案
D) 専属ネイティブ講師との週3回のレッスンなど、日々の英語学習に取り組む
C) 学習進捗をコンサルタントが確認
A) 改善施策を実行 → その結果を基に再度学習計画を提案(Plan)
これによりしっかりと成果を上げながら、1年間英語学習を継続することができます。
トライズでは本当に話せる英語力を身につけることができます。気になる方はトライズ公式サイトを御覧ください。