「いざ英語を勉強しようと思っても勉強法が分からない」
「勉強は継続しているけれど効果が実感できない」
こんな悩みをお持ちの方は少なくありません。
本記事で紹介する書籍【海外経験ゼロでも仕事が忙しくても「英語は1年」でマスターできる】の著者である私、三木雄信もかつては同じ悩みを抱えていました。
私は現在、コーチング英会話トライズというビジネスマンのための英会話スクールを運営していますが、もともと英語ができた訳ではありません。縁あってソフトバンクへ入社し、孫正義社長の社長室で働き始めましたが、最初は海外のクライアントとの交渉でほとんど発言することができませんでした。このままではまずいと危機感を覚え、一念発起して英会話を始めました。その結果、1年間の学習期間を経て、「交渉で負けない英語」を身につけることができました。本書では私が英語学習の過程で発見した効率的な学習法をまとめ、誰もが実践できるように解説しています。
その中から、本記事では技能別の勉強法についてご紹介します。
Reading トレーニング法
極端な意見かもしれませんが、社会人の英語学習においてリーディングの学習はほとんど必要ないと考えています。なぜならば、ビジネスの現場では大学入試英語のような正確な逐語訳が求められる場面が少ないからです。
その代わりに求められるのが、「自分に必要な箇所を素早く見つけて、その部分の意味を正確に掴む能力」です。したがって、英語の資料を渡されたら、まずはWeb上の翻訳サービスで全体をざっと訳してください。ここでは正確性ではなく、どこに何が書かれているかがおおよそわかれば十分です。次に自分の仕事にとって重要そうな部分を見つけたら、今度はその部分だけ精読するのです。このやり方を繰り返すだけでもリーディング力は向上していきますし、何より業務の中で効率的に英語のトレーニングができるのがメリットです。
Listening トレーニング法
リスニング力を向上させるためにはリエゾンを意識する必要があります。リエゾンとは単語の最後が子音で、次の単語が母音から始まる時、それらの音がくっついて聞こえる現象です。このことによって英語の発音が、カタカナ英語と大きく異なっています。
例えば「front of」という名詞+前置詞の発音は「フロントオブ」ではなく「フロンタブ」のように聞こえます。リエゾンを感覚的に身につけることで、英語をそのまま聞き取ることができるようになります。
ではどうすれば、この子音とリズムの問題をクリアできるのでしょうか。私が出した結論は「音とスペルを結びつける作業を徹底的に繰り返す」ということです。とはいえ、やることは至ってシンプルです。音声を聞いたら、正しく聞き取れたかをテキストで確認し、また音声を聞く。これをなんども繰り返すだけです。
シャドーイング
リスニングの訓練をしているはずが、仕事のことや家事のことなどをつい考え始めて、ハッと気づいたらBGMになっていたという経験はありませんか?集中力を持続させるには「シャドーイング」がオススメです。シャドーイングとは、聞こえてくる音を、少し遅れて影のように追いかけながら口に出す練習法です。聞き取れないものは発音できませんから、シャドーイングをするとより一層音声に集中するようになります。分からない部分はスクリプトと照らし合わせて、実際にはなんと言っているのかを確認していきましょう。
Speaking トレーニング法
スピーキングを最短で上達するコツは、1つの表現につき1つの言い回しだけを覚えるという意識です。私の場合は交渉で使える英語を身につけることが目標でしたので、そのようなシチュエーションに適した例文集を1冊決め、徹底的に内容を覚えました。こちらについては詳細を過去の記事に書いていますので、ぜひご参照ください(今日からできるビジネスで使える英語を1年で身につけるための4つの戦略)。
発音の確認は「Versant」がオススメ
また、英会話スクールはアウトプットの場として活用し、発音や文法の指導はあえて受ける必要はないと考えています。とはいえ、スピーキングの練習を続けていれば、自分が正しい英語を話せているかどうかは気になります。上達度を確認するためにも、客観的にチェックしてもらう機会は作った方がいいでしょう。私のオススメは、ピアソン社が開発した「Versant」というスピーキングテストです。これは自宅にいながら、パソコンまたは電話でテストを受けられるものです。24時間、365日いつでも受験が可能で、テスト終了後わずか数分以内に採点結果が出るので非常に便利です。
近年では実践的な会話力を測定できる指標として、世界各国の企業や公的機関でも採用されています。在日アメリカ大使館の採用試験ではVersantのスコアも審査基準の1つとされていますし、社内公用語を英語にしたインターネット関連の大手企業も、TOEICに加えてVersantを全社員に受けさせることに決めました。コーチング英会話トライズでもレベルチェックにVersantを導入しています。定期的に受験することで、モチベーションを高める材料になるので、上手に活用してみてください。
スピーキング力向上のために結論から話す
さらにはロジカルな話し方をするトレーニングもスピーキング力向上に有効です。そのためには余計な前置きはせずに、結論から話す必要があります。ソフトバンクで孫社長と一緒に働いたことのある人は、ミーティングの冒頭で必ずこう言われます。「言いたいことは10秒で話せ!」。これがなぜ英語のスピーキングに関係するかというと、英文の構造が「結論から言う」と言うルールになっているからです。普段から日本語でもシンプルかつ結論優先でロジカルに話すことを心がけることで、英語でも自然とスムーズな意思疎通ができるようになります。
Writing トレーニング法
ビジネスマンがライティングを学習する目的は、メールで円滑なコミュニケーションを取るためという場合が多いかと思います。その際には「テンプレの活用」と「添削サービスの活用」が最も効率的です。ロジカルなスピーキングが好まれるのと同様に、メールでも凝った表現のない明快な文章がよく使われます。そのため、要件別に雛形を作って、それらを転用することで、メールを出すたびに悩むということが無くなります。
また、重要なメールやイレギュラーな内容であれば添削サービスを使うのも一つの手です。私は「Ginger」という無料添削サービスを利用しています。翻訳・英文チェッカー・辞書・スペルチェックなどあらゆる機能が無料で使えることに加え、アプリ版などもあるので出先でも気軽に使うことができます。これらの機能を活用して、ビジネスに活かせるライティングスキルを養いましょう。
まとめ
英語学習と一口にいっても、技能別にその対策法は大きく異なります。本記事では社会人が1年間で英語をマスターするという目標に特化して、スピーキング力・リスニング力の向上に焦点を当てた勉強法をご紹介しました。おさらいになりますが、リスニング力はシャドーイングを中心とした実際の発声の練習をすることで、スピーキング力は最低限の言い回しを覚えてアウトプットの機会を増やすことで伸ばすことができます。
著書【海外経験ゼロでも仕事が忙しくても「英語は1年」でマスターできる】にはより詳細な勉強法が紹介されていますし、コーチング英会話トライズでは1年間で結果を出すための充実したコースが用意されています。そちらも合わせてご参照ください。