【プロマネ仕事術】「プロマネ」仕事術は全ビジネスパーソンの必須スキル

トライズ ビジネス術

前回の記事では、私、三木雄信が、ソフトバンク時代、孫社長のもとでむちゃぶりに対応しながら身につけた、プロジェクトマネジメントの仕事の全体像を説明させていただきました。今回の記事では、そうした「プロジェクトマネジメント」というスキルが、今後なぜビジネスパーソンにとっての必須スキルとなってくるのかを、より具体的に解説していきたいと思います。

私、三木雄信はこうした「プロマネ」のスキルを駆使し、コーチング英会話トライズを立ち上げ、受講生4,000人以上という規模まで成長させることに成功しました。皆さんも是非、こうしたスキルを活用し、ビジネスの現場で役立てていただけたら幸いです。

それでは具体的に解説していきましょう。

「プロジェクト的な仕事」が日常業務の中でも増えている

「今はプロジェクトなんて抱えてないけど?」

そう思っておられる方々のために、ここでもう一度「プロジェクト的」な仕事の定義を、日常業務と比較しながら再確認させていただきます。

プロジェクト的な仕事

  • 期限が明確である
  • 複数の部門が関与する
  • 新しい製品やサービスの創造

日常業務

  • 期限が定められていない
  • 単一部門で完結する
  • 過去に開発された製品やサービスの再生産

こうして見ると、先週のあなたの仕事の中にもプロジェクト的な仕事はいくつか存在するのではないでしょうか?

また今後は技術の発展に伴い、日常業務は全てAIが代替するようになることが予測されます。こうしてみると日常業務しかこなせないビジネスパーソンは当然のことながら職を失うことにもなりません。

だからこそ、今後のビジネスパーソンにとって「プロジェクト的な仕事」そして「プロマネ」仕事術を体得することは必須と言っても過言ではないと言えるのです。

増加の背景にある「4つのビジネストレンド」

さらに具体的に見ていきましょう。

皆様もご存知の通り今後のビジネス環境は大きく変化していきます。その変化について四つのキーワードを切り口に見ていくと「プロジェクト的な仕事」のスキルを高めなければならない必然性がより具体的に見えてくると思います。

その4つのキーワードとは「 デジタル化」「グローバル化」「カスタマイズ化」「高速化」の4つです。 

ビジネストレンドその1:デジタル化 

まず「デジタル化」について解説していきます。これは今更説明するまでもなく、現在そして今後のビジネスの現場において、何を行なう上でもITを無視して、ビジネスを進めていくことは実質不可能です。ITに関連した顧客からのニーズに対応しようとした時、必ず、自社のIT管理部門やアウトソースしている外部のIT企業との連携や調整が必要となります。

英会話 トライズ 三木雄信

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ビジネストレンドその2:グローバル化

次に「グローバル化」です。日本では今や少子高齢化が進み国内需要は軒並み下がる一方です。こうした中で自社の右肩上がりの戦略を練るためには当然のことながら海外にも目を向けたビジネス戦略で勝負する必要性にも迫られることになります。

こうなると、現地法人の担当者や海外ビジネスに詳しい専門家、国内外の税制や文化に詳しいコンサルタントにも協力を仰がなくてはなりません。こうなると、複数の部門での調整も必要となってきます。

ビジネストレンドその3:カスタマイズ化

さらに「カスタマイズ化」について説明します。高度経済成長期であれば、誰もが同じような製品を欲しがっていたため、単一の商品を単一の方法で1件でも多くの顧客と接触しながら営業を行っていくと言った営業スタイルが主流であったかもしれません。

しかしながら、現代においては顧客のニーズは千差万別ですが、その中からニーズを引き出し、相手が抱える問題を解決していくカスタマイズ営業スタイルが求められます。つまり、顧客の問題解決にフォーカスしたものを、他部門と調整しながら、新しい形で、決められた納期までに提供しなければなりません。そうなってくると今現在、顧客が利用しているシステムとの調整や、自社の他部門との調整も従来とは比較にならないほどの件数で増えていきます。

ビジネストレンドその4:高齢化

そして、最後に「高速化」です。私、三木雄信が指摘するまでもなく、日本の企業は物事の決断を下すのが、他の先進国に比べて圧倒的に遅いのが現場です。最終的な決断が降りるまでに何度も稟議を回し、ようやく稟議が承認となったとしても、その商品がリリースされるまでに時間がさらにかかる。これが日本の企業の一般的なスピード感です。こうしている間に他の先進国は、より速いスピードでビジネスの先手を打っているため、現在日本が牽引していると思われているビジネスも、いつ海外に取って代わられるかも時間の問題です

こうしたことを回避するためにも、複数の部門から情報と権限を持った人らが一同に会し、ビジネスを前に進めていく姿勢が必要となります。

以上が今後、ビジネスマンにとって「プロジェクト的な仕事」のスキルを高めていく必然性を語る上での、背景となるものです。

プロマネの仕事のやり方を学ばないことにより頻発する日本企業の「デスマーチ」

それでは、そんな未来を生き抜くために必要なことは何か。答えはひとつしかありません。それは、あらゆるビジネスパーソンがプロジェクトマネジメントのスキルを身につけなくてはいけないということです。

プロマネの仕事は「横のコミュニケーション」が必要になってきますが、これは従来型の「縦のコミュニケーション」に比べ、難易度が高くなってきます。なぜなら「横のコミュニケーション」には人事権がないからです。極端な話、プロマネに嫌われても直属の上司から嫌われなければ彼らの身は安泰となるわけです。私、三木雄信もソフトバンク時代「孫社長の肝入りのプロジェクトだから」と言っても誰もついてきてくれないことくらい熟知していたので、どのようにしてメンバーの上司まで巻き込もうかと考え実行に移し継続させていくことに苦労しました。

当時はもちろん現在でも多くの日本の企業では、「プロマネの仕事をどうやればいいか」という方法論を誰も教えてくれません。その結果、日本のあらゆる職場では次のような同じ失敗パターンが繰り返されています。

大抵のプロジェクトはメンバー同士で明確な役割分担もしないまま、とりあえずやれるところから始めようと各自が思いつくままなんとなく作業を開始します。

しばらくそのまま活動レベルが上がっていきますが、ある地点まで来ると誰かが「このままでいいのかな」「前のプロジェクトではこんなことはしなかった」などと言い出します。すると他のメンバーも不安に思い始め、「確かにそうだな。進め方を見直そう」と再検討が始まり、一旦活動レベルが停滞します。その後、メンバー同士で仕事の進め方について合意がなされると、再び作業が開始されます。

ところが、次の次元に来ると今度は会社の上層部やクライアントから「ちょっと待って。自分が考えていた方向性と違うから、やり直してくれ」と想定外の注文が飛び出します。いわゆる“鶴の一声”です。

こうして活動レベルは限りなくゼロに近いところまで落ち込み、仕事は振り出しに戻ります。一からやり直している間にも納期はどんどん迫ってくるため、突然の軌道修正に悪戦苦闘しているうちにやってくるのが「Point of No Return」、 つまり「最終期限から逆算して、もう軌道修正も後戻りもできない段階」です。

ここを超えると、後は期限に間に合わせるために、大量の作業を突貫工事でやるしかなくなります。時には、 本来この仕事とは関係のない人まで駆り出して、人海戦術を繰り広げます。こうした一連の流れが俗に言う「デスマーチ」の状態です。

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これ以上、こうした失敗の継続を放置していると、日本企業の競争力はどんどん失われていくことは極めて明快です。

このため、この記事を読んでいただいた皆様には、今こそ「プロマネ」のノウハウを身につけ、例えどんなに小さなところからでも、今後の日本のビジネス界にとってなくてはならない存在になっていただきたい。私、三木雄信は心からそう願っています。

まとめ

今回は、今後の日本のビジネスパーソンにとって「プロマネ」のスキルを高めていく必要性について解説して参りました。より詳しくお知りになりたいという方は私、三木雄信の著書「孫社長の締め切りを全て守った最速『プロマネ』仕事術」も併せてご参照いただけたらと存じます。

私は、「プロマネ」の技術を活用しコーチング英会話トライズを立ち上げ、受講生4,500人以上という規模まで成長させることに成功しました。皆さんも是非、「プロマネ」仕事術を身につけ、ご自分のビジネスを飛躍させてください。

次回記事ではいよいよ、「プロマネ」仕事術のエッセンスについて解説させていただきますので、どうぞお楽しみに!