良い戦略を立て、目標を明確にし、仲間を集め、しっかりとした進捗管理をする。これまでの記事で徹底解説させていただきましたので、もう怖いものなしのように思えます。
しかしながら実際には、どんなに万全な準備を施し、環境を整えてから実行に移したとしても、いざ目標を立ててそれを実行に移し、ゴールに向かって進めていくというプロセスでは、問題というものは線路の枕木のごとく次々に発生してくるものです。多くの人は、この「問題」に対応する方法や忍耐強さを持ち合わせておらず、挫折することもしばしばです。
だからこそ、大切なのは「問題解決力」。
いつまでも悩み続けるのではなく、投げ出すのでもなく、起こった問題を、適切に捉え、冷静に対応し改善し目標へと近づけていく力、これが不可欠であると言わざるを得ません。
今回の記事では、それらに対する具体的なテクニックをいくつかご紹介させていただきます。それでは早速始めていきましょう!
問題解決のカギは「グループ分け」と「数値化」
問題を数字に置き換えれば、現状を正しく把握しどこに問題の根本的な要因があるのかを明確にすることができます。人間の感覚というのは、時として全く当てにならないものです。そうした時、人は思い込みで判断したり、自分以外のところに要因があると解釈しがちです。
確かに、経営にしろ、個人が目標に向けて何かに取り組もうとしている時にしろ、常に問題は発生するもので、その問題は大きく分けて外部要因と内部要因に分けられます。
数値化できていない場合、本人の感覚だけが頼りになる上、放っておくと、その感覚は自分以外のところに要因があると判断してしまうため、結局人は
「こんなに頑張っているのに、報われないのは、上司のせい、会社のせい、政府のせい、配偶者のせい」
となり、ひいては本人のご先祖様や前世での行いのせい、星周りが悪かったせい、にまで発展することもあります。
このように、数字や論理で問題解決に取り組もうとしない限り、人は全くもって的外れな解釈や、目標達成に向けて全く役に立たない、ものの考え方をしてしまいがちです。
だからこそ、問題を全て数字で捉える事が大切になってくるのです。
- 「昨日は何時間勉強できたかな?」
- 「火曜日と木曜日は勉強時間が少なくなっているな?」
- 「通勤時間に耳で学習すれば、1時間は勉強時間を増やす事ができるぞ」
- 「単語は一日いくつずつ覚えるのが、最も忘れにくいのかデータをとってみよう」
こうして、物事を数字で捉える癖がつけば、問題を的確に把握する事ができ、有効な改善策が出やすいものです。
ただし数字で把握する前に「分ける」という作業も必要です。プロセスごと、時間ごと、曜日ごと、業種ごと、何でも良いから「分ける」ことで数字が意味を成してきます。是非ともこの「数値化する」という作業と「分ける」という作業を問題解決に活用してみて下さい。
問題解決は「構造化」、新しい発想は「掛け算法」
ある日のこと、またいつものように私、三木雄信は孫正義社長から突然
「経営の要素を1万個リストアップしろ!」
というむちゃぶりを受けました。
唐突に1万個と言われても、列挙できるわけがないと思いましたが、相手はあの孫正義社長です。そんなに簡単に「無理です。」なんて言えるはずもありません。
しばらく考えた後、経営の大きな要素を10個書き出すことにしてみました。
「経営戦略」「法務」「税務」「財務」「人事」・・・と言った具合に。
そしてそこから一つ一つの要素をさらに細かく分けてみることにしました。
「経営戦略」からは「ポジショニング」「マーケティング」「販売戦略」「商品戦略」、「財務」からは「資金調達」「資本政策」「キャッシュフロー管理」といった具合です。
こうして10個 ✖︎ 10 個の合計100個が達成できました。そして、さらにそこから細かく分けていき、100の100倍、つまり1万個のリストアップに成功したのです。
では、なぜ孫正義社長はこんな宿題を私、三木雄信に出してきたのでしょうか。
それは、不確実性の高い現代において、経営の細かな要素を把握する事が、今後発生するであろう問題を乗り越える時におおいに役立つことを、彼は知っていたからです。
事業計画にしてもそうでした。大量なパターンを考えておくことが最良の解決策を見出す。その事実を知っているから優秀な人たちは数にこだわるのです。
また、その一方で、今度は新しい発想を生み出す時に役立つのが「掛け算法」です。例えば、携帯用ラジオとカセットデッキが掛け合わさったことでウォークマンが発明されたように、新しいものが開発される時には、既存のものを掛け合わせることで誕生するものが多いです。
この要領で、A4の用紙を半分に折り、左側を「A欄」右側を「B欄」とします。「A欄」には流行やトレンドを示す言葉、「B欄」には自社製品を書いていきます。こうすることで、流行する可能性を内包したオリジナルの自社製品を開発するヒントが次々と浮かんできます。
皆さんも是非、試してみて下さい。
正しい質問の方法
また、わからない事があったら、迷わずに「よく知っている人に聞く」、これが大切です。私、三木雄信も孫正義社長から「10秒考えて分からないことは、すぐに人に聞け。」と言われてきました。
ただし、質問するのにも礼儀があります。
皆さんも会社の後輩や顧客から、明らかに依存してくるような質問に対する返答に追われ、うんざりした経験はないでしょうか?
こうしたことを相手に思わせないためにも、質問をするときは事前にこちら側で「仮説」を立てておく事が大事です。こうすることで、相手に不快な思いをさせることなくこちらが得たい情報を手に入れる事が可能となります。
また、仮説を立てずに質問をすると、全く的外れな回答を招くことにもなりかねません。これではお互いにとって時間の無駄と言わざるを得ません。
質問をする前に、自分たちの目的を明確にした上で、仮説を立てて質問を行う方が、お互いの時間を有効に使うことにつながります。
どうにも行き詰まったら
なんとなく元気が出なかったり、考えが行き詰ってしまったりする時は、同じ環境にどっぷり浸かっているのが原因だということも多いようです。話をするのはいつも同じ相手で、入ってくる情報も似たようなものばかりだと自分の中にあるデータベースや知識はどんどん陳腐化していきます。
同じことを考え、同じことを見聞きし、同じことをしていると新しいものを生み出すためのパワーやバイタリティが失われてしまうのです。
こんなときは、いつもの自分とはちょっと遠い人と、何気ない話をすることで、思いがけない情報や刺激に出会えるのです。
また今の自分に「できること」と「できないこと」を分けるということも大切です。「できないこと」に頭を悩ませていても問題解決には至りません。「できること」にこそエネルギーを集中することで問題解決の糸口が見えてきます。
まとめ
以上、今回までの記事で「10倍速で目標を達成する方法」について解説して参りましたが、いかがだったでしょうか?
もっと詳しい内容を知りたい方は私、三木雄信の著書「孫正義社長に学んだ「10倍速」目標達成術」の方も併せてご参照ください。
私は、今回紹介したの目標達成術のスキルを活用し、コーチング英会話トライズを立ち上げ、今までに受講生様が4,500人以上という規模まで成長させることに成功しました。
皆さんも是非、今回紹介したスキルを身につけ、ご自分のビジネスを飛躍させてください。トライズのメンバーも皆この目標達成術を身に付け多くのプロジェクトに挑戦し、成功させています。
また、トライズの受講生様も1年間専属のコンサルタントとネイティブコーチと共に、忙しい生活の中に英語学習の時間を作っていただくので、自分自身のマネジメントができるようになり、日々の英語学習の目標を達成し、その結果、英語が話せるようになるだけではなく、ビジネスパーソンとしても成長します。今までの受講生様の中には、目標としていた海外出張に行くことができた方や、ご自身でビジネスを立ち上げた方などがいらっしゃいます。
英語が話せるようになるだけでなく、ビジネスパーソンとしても成長した方がビジネスの現場で活躍しないはずがありません。気になった方は、ぜひトライズの無料カウンセリングにお越しください。
皆さんの成功を期待します。