前回までの記事で「3大基本戦略」を学び、具体的に目標を立てて実行していく方法についても学びました。では次に何が必要になるでしょうか。
10倍速で目標を実現するには、自分の力だけでは不十分です。たとえどんな天才であろうとも、一人でできることには限りがあります。
特に新しいことを始める際には、人・モノ・お金・情報といった「世の中の資源」をいかに自分の目標達成のために動員するかがカギとなります。
その点、孫社長は人の力を借りる達人です。
では彼はどのようにして人の力を借り、目標を達成していったのか。具体的に見ていきましょう。
目次
なぜソフトバンクはiPhoneを獲得できたか? − ナンバーワンと組め
以前の記事で紹介した「ナンバーワン戦略」には自分がナンバーワンになるという方法に加えてナンバーワンと組むというやり方もあります。
孫社長はこの手法を最大限に活用しハドソン、 Microsoft、 シスコシステムズ、 Google、といった、名だたる企業と手を組んで、自社のビジネスを発展させてきました。
中でも極めつけはAppleと組んでiPhoneを日本で独占販売したことでしょう。 ソフトバンクはiPhoneの日本上陸時から約3年間日本での独占販売権を有していましたが、これは同社が携帯電話事業会社として大きく飛躍する要因になりました。
当時のソフトバンクは同業他社と大きく差を開けられており、不利な状況下でありました。ではなぜ、スティーブ・ジョブズは携帯電話の販売実績で日本ナンバーワンだったNTTドコモではなくソフトバンクと組んだのでしょうか。
- 孫社長が巧みなトークで説得したから?
- 個人的に親しい間柄だったから?
いずれも答えはノーです。
この答えは端的に言えば
「相手が絶対に組みたいと思える状況を用意したから」
です。
当時のソフトバンクはシェアこそ低かったものの、携帯電話の純増件数はナンバーワンでした。
また既にソフトバンクが運営していたYahoo!、そして中国で展開しているタオバオやアリババといったグループ企業もあり、事実上「アジアのインターネットナンバーワンの企業」の座を確立していました。
孫社長はこの2点をジョブズに説明し、それ以上のことは何も話しませんでした。しかしながらジョブズにとっては、
「今、日本で最も勢いのある、アジアナンバーワンの企業と手を組んだんだ!」
という大満足な結果であったに違いありません。
このように、孫社長が上手いのは自分が今持っているものの価値を、いかに大きく見せるかという点です。
ナンバーワンと組むためには、何かの特定領域でナンバーワンになり、それを相手のニーズと合致させていく。ここがポイントである事がお分かり頂けたと思います。
交渉は“始まる前”に勝負が決まる − 交渉の秘訣は「鯉とりまあしゃん」に学べ
前項のエピソードの教訓としては「ナンバーワン戦略」とともに「鯉とりまぁしゃん」の手法も隠されています。
「鯉とりまぁしゃん」とは、孫正義社長の故郷、九州の「鯉とりのまさおさん」くらいのイメージですが、彼は寒い冬に鯉の漁に行く際、事前に栄養価の高いものをたくさん食べて、暖を取ってから体をしっかりと温めてから川に入ります。
すると、まあしゃんの温もりを求めて鯉たちは自らやってきて、まあしゃんに近づこうとします。まあしゃんはそれを優しく抱き抱え、捕獲するのです。
これはまさに孫社長の交渉術そのもので、本番のずっと前から入念に準備して相手が自然とこちらへ寄ってくるような状況を作っておく、後は腕の中に入ってきたものだけあげるだけなので、特別なテクニックは要りません。プレゼンの場での説得力やアピール力が本当の勝負どころではないのです。
スティーブ・ジョブズにとっては、「日本で最も勢いのある携帯電話会社」かつ「アジアナンバーワンのインターネット会社」である2つの分野でナンバーワン企業であるソフトバンクと手を組むという案件は、何とも魅力的な案件であったのです。
これがもしソフトバンクが、「シェア第3位」「販売純増件数第2位」「検索エンジン、ユーザー数?」という企業であったら、ジョブズはソフトバンクと手を組んでいたでしょうか。
孫社長はこのあたりのことをきちんと理解しており、ナンバーワンと手を組むために、自分たちも特定の分野でナンバーワンになるということにこだわったのです。
こうして人の力を借りながら、自社のビジネスを飛躍させることに次々と成功させているのです。
「人の力を借りるコツ」についてご理解いただけましたでしょうか?
新たな事を始める時は、自分で勉強するよりも詳しい人に聞く
少々、話が大きくなってしまいましたが、ことの大小にかかわらず、新たなことを始める際は、その道の専門家を味方につけるのが一番です。私、三木雄信はこうした人の力を借りて問題を解決することを「マウンテンガイド理論」と名付けています。
皆さんもよくご存知の通り、標高も高く、頂上に登るまでの間に、数々難所が控えている山に、登山家とも呼べない素人の人が、Tシャツ、半ズボン、スリッパといった軽装で登るというのでは、これは死にに行くようなものです。
初めて登る山にチャレンジするのであれば、その山を知り尽くしている「マウンテンガイド」を雇う方が、よっぽど安全かつ確実に頂上を目指す事が可能となります。そのマウンテンガイドは、その山独特の天候や難所も知り尽くし、初めてチャレンジする人を優しく厳しく導いてくれます。何と心強い存在なのでしょう。
とはいえ、普通の人ではガイドを雇うほどの資金力など持ち合わせていないこともあるでしょう。そうした場合、その道の専門家に話を聞くだけでも良いと思います。講演家、本の著者、今の時代インターネットを通じて、本人に直接コンタクトを取ることも不可能ではありません。
私、三木雄信のところにも、多くの学生から相談が寄せられることが多くあり、私自身、できるだけ会うように心がけています。なぜなら彼らは、その時点で他の人たちよりも勇気と行動力がある人物である事がうかがえるからです。生半可な覚悟でコンタクトを取ろうとする人はいないと言って良いでしょう。
「自分で解決する」と言えば聞こえは良いかもしれませんが、何としても目標を10倍速で達成していきたいのであれば人の力を借りることを躊躇してはなりません。
まとめ
今回は人の力を借りることの重要性や、そのコツについて解説してまいりましたがいかがったでしょうか?もっと詳しい内容を知りたい方は私、三木雄信の著書「孫正義社長に学んだ「10倍速」目標達成術」の方も併せてご参照ください。
私は、こうしたスキルを活用しコーチング英会話トライズ(TORAIZ)を立ち上げ、受講生4,500人以上という規模まで成長させることに成功しました。皆さんも是非、こうしたスキルを身につけ、ご自分のビジネスを飛躍させてください。
トライズ(TORAIZ)の受講生様は、上記の「マウンテンガイド理論」に基づき1年間専属のコンサルタントが英語学習のガイドとなることで、英語学習について迷うことなく目標の英語力を身に付けることができます。目標達成のためにトライズのコンサルタントがしっかりとサポートします。
気になった方は、ぜひトライズ(TORAIZ)の無料カウンセリングにお越しください。
皆さんの成功を期待します。